Morzart Symphony Orchestra
モーツァルト・シンフォニー・オーケストラ

マエストロ・ペンの  
  ある日のモーツァルト (1)

            3月4日

 1762年3月4日、モーツアルトはクラヴィーアの為のアレグロK.3を作曲します。て、おいおい、6歳だよ。ちなみにK.1はab二つありまして、それぞれクラヴィーアの為のアンダンテとアレグロ(前年5歳で作曲)、K.2はクラヴィーアの為のメヌエット(これはこの年の1月)です。続いてのK.4,5は5月と7月に書いたクラヴィーアの為のメヌエット(2曲とも)です。

 いくら神童モーツアルトでも5歳や6歳で楽譜を書けるのか?とお思いでしょう。はい、実は書いていません。父レオポルトが書き留めたのです。この頃のモーツアルトが書いた楽譜を見た事がありますが、音符はまるでお団子のようにまん丸でしかも大小バラバラです。さすがのチビモーツアルトも、演奏はめきめき上達しても、書く作業に関しては人並みのお子チャマだった訳です。ふふふ、なんか微笑ましくてホッとしますね。レオポルトはヴァイオリンの名教師で演奏家でしたから、よく自宅で仲間と弦楽四重奏を演奏していたそうですが、ある日見よう見まねで自己流ヴァイオリンを弾いていたモーツアルトもそれに参加し、初見で第2ヴァイオリンを正確に弾いたんだとか。ホントかねえ。ちなみに今度は第1ヴァイオリンを弾きたいと言いだしてさせてみたところ、今度は困難を極めて周りの大人達の笑いに包まれた・・・とかいうエピソードが本に載ってます。こちらも極めて疑わしい話ですよ。いくら何でも習ってもいないヴァイオリンは弾けなかったと思うんですがね。私の周囲のヴァイオリニスト見てても、いかに大変な楽器か分かりますからね。もしかしたら「弾けた」という基準が大変低かった可能性はあります。もしもタイムマシンができて聴けたりしたら、意外と下手くそでびっくりするかも。

 つまりは偉人と言われる人種につきものの、子供時代の天才エピソードな訳ですね。本当はたいした出来でなくとも、時間とともに脚色され、誇張され、現在に伝わってる訳ですね。仏様は生まれた直後にすくっと立ち天を指差し、「天上天地、唯我独尊」とのたまったそうですからね。おっとこんな話題に出したら罰が当たるかな。さて私自身の天才エピソードは・・・なんにもある訳ないでしょ。ははは。

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